おすすめのホラー小説を厳選して紹介します!
どうも。ariko(@otonmediariko)です
今回はおすすめのホラー小説をご紹介します。これまで実際に私が読んできたホラー小説の中で、ただ怖いだけじゃなく物語としてもこれはホント面白かった!というものを厳選してまとめてみました
目次
ミザリー
不慮の自動車事故で負傷した人気作家ポール・シェルダンは、熱心な愛読者アニーに助けられるのだが、そのまま監禁され、彼女だけのための作品執筆を強要される。極限のファン心理が作家を襲う密室での戦慄の恐怖。ロブ・ライナー監督の米国映画『ミザリー』(1991年日本公開)の原作で、ホラー界の巨匠S・キングの筆が冴え渡るモダン・ホラーの逸品。
私がホラー小説にハマるきっかけになった作品。私が確かまだ小学生の頃、金曜ロードショーで映画「ミザリー」を観たのがこの作品との出会いです。当時「何なんだこのオバサンは~~!!! 超怖ええぇぇええ~!!! うわっ!!! ひゃああぁああ!!!!」とめちゃくちゃビビりながら、それでも結局最後まで観てしまったのを憶えています
その時初めて味わった「怖いけど面白い」という感覚。それが実は快感であること、そしてその快感は文字で読むと更に増すということを教えてくれたのがこの作品です
シャイニング
鬼才スタンリー・キューブリック監督による映画化作品でも有名な、世界最高の「恐怖の物語」
雪に閉ざされたホテルに棲む悪霊が、管理人一家を襲う。天才キングが圧倒的筆力で描き出す恐怖! これこそ幽霊屋敷もの、そして20世紀ホラー小説の金字塔
こちらも、原作を読む前に映画でその面白さを知った作品。破れたドアのすき間から覗くジャック・ニコルソンの狂気に満ちた顔はあまりにも有名ですね。狂気に取り憑かれ、徐々におかしくなっていく主人公の内面的な描写がとにかく怖すぎる! じわじわくる恐ろしさがたまらなく怖い
この作品を読まずしてホラー小説を語る資格はないと言っても良いでしょう。「怖いけど面白い」をこれほど堪能できる小説はありません。映画、小説、ともにまだの人は是非!
IT
1959年、嵐が過ぎ去った日に起こった惨劇。アメリカ東部メイン州の町デリーでは、26、7年周期で子どもの行方不明、殺人が急増するという歴史があった。町を流れる運河、水路、下水道から現れる「IT(それ)」。「それ」に立ち向かった7人の少年少女たち。時はめぐり1985年、周期が巡り、また「それ」が現れた。
ここまでスティーブン・キングの作品を3つ連続でご紹介してきましたが、物語としての厚みは3作品中随一で、個人的には一番おすすめです。かなりボリュームのある長編作品(文庫本で4冊)ですが、読み始めるとぐいぐい物語に引き込まれ、読み終えてしまうのが何かもったいないとさえ感じる面白さ。ピエロ=怖いという新たな概念と、ホラー小説には珍しいある種爽やかな読後感が得られる作品
2017年に再び映画化されるそうですが、私としてはその前にぜひ原作をKindle化してほしい作品です
黒い家
若槻慎二は、生命保険会社の京都支社で保険金の支払い査定に忙殺されていた。ある日、顧客の家に呼び出され、期せずして子供の首吊り死体の第一発見者になってしまう。ほどなく死亡保険金が請求されるが、顧客の不審な態度から他殺を確信していた若槻は、独自調査に乗り出す。信じられない悪夢が待ち受けていることも知らずに……。恐怖の連続、桁外れのサスペンス。読者を未だ曾てない戦慄の境地へと導く衝撃のノンストップ長編。第4回日本ホラー小説大賞受賞作。
タイトルから幽霊や祟といったジャパニーズホラー的な要素を連想する方も多いでしょうが、そういった類のものは一切出てきません。なのにめちゃくちゃ怖い!とにかく怖すぎるっ!!!幽霊よりゾンビより、人間のこういうオバちゃんが間違いなく一番怖いんだな、つくづくそう感じさせられる作品です
特に終盤、この恐怖のオバちゃんに追い詰められる時の「やっべぇぇえええ!!!きたぁああああぁぁぁ!!!!」という恐怖感はホントたまりません。過去にもそしてこれからも実際にあってもおかしくなさそうな話なだけに、それを考えると余計怖い
天使の囀り
北島早苗は、終末期医療に携わる精神科医。恋人の高梨は、病的な死恐怖症(タナトフォビア)だったが、新聞社主催のアマゾン調査隊に参加してからは、人格が異様な変容を見せ、あれほど怖れていた『死』に魅せられたように自殺してしまう。さらに、調査隊の他のメンバーも、次々と異常な方法で自殺を遂げていることがわかる。アマゾンでいったい何が起きたのか? 高梨が死の直前に残した「天使の囀りが聞こえる」という言葉は、何を意味するのか? 前人未踏の恐怖が、あなたを襲う。
前作「黒い家」があまりにもこわ面白い作品だったので、期待して読み始めましたが、本作も期待通りのめちゃくちゃ怖くて面白い作品でした。更に前作にはなかった「気持ち悪い」という新たな要素も加わり、読んでいてゾワっと鳥肌が立ってしまうような恐怖感を味わうことができます。怖いもの見たさでページをめくる手がホント止まりません。「うわっ怖ぇええぇぇぇ!!!気持ちわりぃぃぃいいい!!!!!もうこれ以上無理!!!!」でも読んでしまう、みたいなw
虫が嫌いな人は完全にアウトな作品でしょう。そうでなくても強烈なトラウマは残っちゃうかも?そんな衝撃的な作品です
クリムゾンの迷宮
藤木芳彦は、この世のものとは思えない異様な光景のなかで目覚めた。視界一面を、深紅色に濡れ光る奇岩の連なりが覆っている。ここはどこなんだ? 傍らに置かれた携帯用ゲーム機が、メッセージを映し出す。「火星の迷宮へようこそ。ゲームは開始された……」それは、血で血を洗う凄惨なゼロサム・ゲームの始まりだった。『黒い家』で圧倒的な評価を得た著者が、綿密な取材と斬新な着想で、日本ホラー界の新たな地平を切り拓く、傑作長編。
このあらすじだけ読むと、とんでもない設定に思えるかもしれませんが、極限状態で追い詰められていく緊迫感や恐怖感は凄まじく、読み始めると間違いなくイッキ読みしちゃう面白さです
著者の作品の中で一番好きな作品にこの「クリムゾンの迷宮」をあげる人も少なくないのでは?先にあげた「黒い家」、「天使の囀り」とはまたひと味違ったスリルが味わえる、至極のエンターテインメントホラー小説です
魍魎の匣
箱を祀る奇妙な霊能者。箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物――箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物(つきもの)は落とせるのか!?日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ、妖怪シリーズ第2弾。
ルビなしでは到底読むことができない漢字のオンパレード、タイトルからして正にそれですが、一旦読み始めるとその独特の世界観に一気に引き込まれていきます。著者ならではの文体が作り出す雰囲気が、狂気に満ちた事件をますます薄気味悪いものにさせています
男はさう云ふと匣(はこ)の蓋を持ち上げ、こちらに向けて中を見せた。
匣の中には綺麗な娘がぴつたり入つてゐた。
(中略)
人形の胸から上だけが匣に入つてゐるのだらう。
何ともあどけない顔なので、つい微笑んでしまつた。
それを見ると匣の娘も
につこり笑つて、
「ほう、」
と云つた。
ああ、生きてゐる。
何だか酷く男が羨ましくなつてしまつた。
ゾワゾワくる恐ろしさが何とも言えない作品です。ただ、ホラー色はあまりなく、ジャンル分けしづらい作品ではありますが、こわ面白い小説であることは間違いありません
ぼっけぇ、きょうてえ
「教えたら旦那さんほんまに寝られんよになる。……この先ずっとな」時は明治、岡山の遊郭で醜い女郎が寝つかれぬ客にぽつり、ぽつりと語り始めた身の上話。残酷で孤独な彼女の人生には、ある秘密が隠されていた……。岡山地方の方言で「とても、怖い」という意の表題作ほか三篇。文学界に新境地を切り拓き、日本ホラー小説大賞、山本周五郎賞を受賞した怪奇文学の新古典。
日本昔話のホラー版といった感じの作品。ただ、中身はそんな可愛らしいものでは全くなく、ねっとりとした独特の岡山弁で書かれた文章が更にとびきりの薄気味悪さを演出しています。短編なのでさっと読むことはできますが、怪談的な背筋にゾワッとくる恐ろしさは十分に味わえる作品です
表題作「ぼっけぇ、きょうてえ」の他、顔は人間で体は牛の妖怪『件(くだん)』について書いた作品「依って件の如し」もこわ面白くておすすめ
粘膜蜥蜴
国民学校初等科に通う堀川真樹夫と中沢大吉は、ある時同級生の月ノ森雪麻呂から自宅に招待された。父は町で唯一の病院、月ノ森総合病院の院長であり、権勢を誇る月ノ森家に、2人は畏怖を抱いていた。〈ヘルビノ〉と呼ばれる頭部が蜥蜴の爬虫人に出迎えられた2人は、自宅に併設された病院地下の死体安置所に連れて行かれた。だがそこでは、権力を笠に着た雪麻呂の傍若無人な振る舞いと、凄惨な事件が待ち受けていた…。
著者のシリーズ作品の2作目にあたる本作。続編ではないので単体で読んでも問題ないでしょう。前作「粘膜人間」で完全に飴村ワールドにハマってしまった私ですが、今作ではその奇妙な世界観が更にパワーアップしています
凄惨でグロテスクな描写はほんと全身鳥肌モンの怖さ!そういったホラー要素に加え、スムーズな話の展開の中に、結末に繋がる伏線があちこちに散りばめられているので、純粋にエンターテインメント小説としても超一級の面白さがあります。おすすめです!
残穢
この家は、どこか可怪(おか)しい。転居したばかりの部屋で、何かが畳を擦る音が聞こえ、背後には気配が……。だから、人が居着かないのか。何の変哲もないマンションで起きる怪異現象を調べるうち、ある因縁が浮かび上がる。かつて、ここでむかえた最期とは。怨みを伴う死は「穢(けが)れ」となり、感染は拡大するというのだが──山本周五郎賞受賞、戦慄の傑作ドキュメンタリー・ホラー長編!
この作品を読むと間違いなく、真夜中の物音だったり、シャワーで頭を洗い流す時だったり、布団に入った時にできるちょっとした隙間にさえも、ビビって「わぁぁぁぁああああ!!!!」と大声で叫び出したくなります。なので、一人暮らしの方は覚悟して読んだほうが良いでしょう。「どこか可怪しい」理由はわからないけど、なんか嫌な気配を感じる系の怖さは本気で怖くて、この恐怖心は実生活でも常につきまとってくるので厄介です
めちゃくちゃ怖かった、という人と、そうでもなかった、という人、評価は分かれる作品のようですが、私はこの作品を読んでしばらくは夜トイレに行くのがかなり憂鬱でした。また思い出してしまったので、今日からまたこの恐怖心がつきまとうと思うと…
鼻
人間たちは、テングとブタに二分されている。鼻を持つテングはブタに迫害され、殺され続けている。外科医の「私」は、テングたちを救うべく、違法とされるブタへの転換手術を決意する。一方、自己臭症に悩む刑事の「俺」は、2人の少女の行方不明事件を捜査している。そのさなか、因縁の男と再会することになるが……。日本ホラー小説大賞短編賞受賞作「鼻」他二編を収録。著者の才気が迸る傑作短編集。
背筋がゾワッと寒くなるホラーというよりかはどちらかと言うと「世にも奇妙な物語」のような不条理系の作品。収録されている3作品、いずれもテイストが違っていてそれぞれ楽しめますが、中ではやはり表題作「鼻」が個人的には一番おすすめ。2つの視点で進んでいくストーリー、その中に幾つもの伏線が隠されており、最後テングとブタの意味が分かったときには「おぉ!!!怖い!!!」と思わず唸っちゃう感じです
ちなみに本作は、解説を読んでさらに理解が深まる部分があるのですが、Kindle版にはその解説が入っていないらしいので注意してください
汚れた檻
小さなプレス工場での単調な作業と上司の嫌がらせに鬱屈していた29歳の一郎は、偶然再会した友人・牛木の会社で、高級犬の販売を手伝うことに。だがやくざのような牛木の父、我が物顔で家にあがりこむ作業員たち―怪しいことだらけの状況に、一郎は不安をつのらせていく。噂では、牛木と親しくなった者は皆、死んだり家屋敷を取られたりの不幸に見舞われているらしい―。これは地獄の始まりなのか!?奈落のリアルホラー。
主人公が、どんどん取り返しのつかないどん底の状況に追い詰められていくのが、読んでいて本当に恐ろしい作品。前述「黒い家」に更に輪をかけてどす黒く、暗く陰湿な雰囲気が本当に怖い!元ネタがあるんじゃないかと疑いたくなるほどリアリティある設定で、しかも結構共通点のある地域に住んでいる私にとっては、最高に怖面白い作品でした
読んだ後めちゃくちゃ嫌~な気分になりますが、良い意味で「そうそうこの感じ!ホラー小説はこうでなくっちゃ」を味わえる良作です
ぼぎわんが、来る
幸せな新婚生活を営んでいた田原秀樹の会社に、とある来訪者があった。取り次いだ後輩の伝言に戦慄する。それは生誕を目前にした娘・知沙の名前であった。原因不明の怪我を負った後輩は、入院先で憔悴してゆく。その後も秀樹の周囲に不審な電話やメールが届く。一連の怪異は、亡き祖父が恐れていた“ぼぎわん”という化け物の仕業なのだろうか? 愛する家族を守るため秀樹は伝手をたどり、比嘉真琴という女性霊媒師に出会う。真琴は田原家に通いはじめるが、迫り来る存在が極めて凶暴なものだと知る。はたして“ぼぎわん”の魔の手から、逃れることはできるのか……。怪談・都市伝説・民俗学――さまざまな要素を孕んだノンストップ・ホラー!
『ぼぎわん』という響きからして既に薄気味悪いのですが、その迫りくる不気味なゾワゾワ感がたまらなく怖い!章ごとに語り手が変わる構成になっていて、「ぼぎわん超怖ぇぇよぉぉぉ!!!何で襲ってくるんだよぉ!!!」と読み進めるうちに物語にグイグイ引き込まれていきます。ホラーやミステリーといった要素もさることながら、後半はホラーエンターテインメント的面白さも味わえるおすすめの作品です
最近読んだ本の中では断トツに怖面白い作品でした。ホラー小説というジャンルを抜きにしても、間違いなくおすすめできる面白い小説ですね
あとがき
いわゆる心霊的なゾクゾク系の怖さがあるもの、グロテスクな描写で精神的にまいっちゃう系の怖さがあるもの、そして一番厄介な人間の怖さを書いたもの、皆さんはどのタイプのホラー小説が好みでしょうか
怖いけどページをめくる手が止まらない、怖面白いホラー小説はやっぱり最高の娯楽ですね。今回紹介した中でまだ読んだことがない作品があれば、是非参考にしてみてください!
以上、怖すぎっ!でも面白い!おすすめホラー小説13選でした
それではまた!
■今回ご紹介した作品
・ミザリー
・IT
・黒い家
・魍魎の匣
・粘膜蜥蜴
・残穢
・鼻
・汚れた檻